蒸気機関車の左右の動輪は一般に90°の位相をもって組み立てられています。
右側の動輪のクランクピンが真上にあるとき、左側のクランクピンは90°ずれて真横の位置になります。

これは、片側のピストンが前端、または後端 の位置で停止しても機関車が再び動き出せるようにするためのものです。
3気筒の機関車であるC53形機関車では、約120°ずれています。

C53形機関車の第二動輪の車軸にはもう一つのクランクがあり、これがさらに120°ずれた位置にくるようになっています。

クランクの位置によっては極まれに出発できない事象も発生したようです。
一般にはこの位相は左側が遅れるようになっていますが、9600形 だけは逆に90°進む形になっています。
これは設計時の打ち合わせが悪く、図面作成を誤ったためと言われているようです。
初期の18両を製造した段階で気がついたようですが、その後もそのまま製造されついには770両を数えるに至ったようです。
C62(C59)形蒸気機関車の動輪の重量、材質は次のようになっています。
| 部品 | 重量 | 材質 |
| 第一、第三動輪輪心 | 765kg | SC42(SC41) |
| 第一、第三動輪外輪(タイヤ) | 471kg | TY80 |
| 第一、第三動輪正輪(止輪) | 6.96kg | SS41 |
| 第二動輪輪心 | 1043kg | SC42(SC41) |
| 第二動輪外輪(タイヤ) | 471kg | TY80 |
| 第二動輪正輪(止輪) | 6.96kg | SS41 |
C59の動輪は外見はあまり変わっていませんが、一度大きく変更されているようです。
外見上ではバランスウエイトの付け根部分がわずかに変わっているだけですが、横からみた断面では中心位置が内側(機関車のフレーム側)になるように変更されています。
材質もSC41からSC42に変更になっています。
戦時中は製作簡素化のため、車軸がずれないようにするためのキーが廃止されていた頃もあるようです。
推測ですが、1943年(昭和18年)に製造されたC59 66 ~ C59 100 の35両がキー溝のない動輪だったのではないでしょうか。
C59の足回りを使用したC62ですが、動輪は後に設計されたものが使用されています。
C53形蒸気機関車の動輪の重量、材質は次のようになっています。
| 部品 | 重量 | 材質 |
| 第一、第三動輪輪心 | 736kg | CS41 |
| 第一、第三動輪外輪(タイヤ) | 476.5kg | TY75 |
| 第一、第三動輪正輪(止輪) | 8.2kg | R39 |
| 第二動輪輪心 | 924kg | CS41 |
| 第二動輪外輪(タイヤ) | 474.5kg | TY75 |
| 第二動輪正輪(止輪) | 8.2kg | R39 |
第一、第三動輪は1個あたり 1220.7kg、第二動輪では1個あたり 1406.7kgになります。
ワゴン車1台分程度というところでしょうか。